国際社会の対応
2002年2月にサウジアラビアのアブドラ皇太子がイスラエルが全占領地から撤退すれば、国家として承認するという中東和平の提案をし、6月にアメリカ大統領のブッシュがパレスチナ暫定国家建設を支持し、イスラエルが入植活動を停止し、パレスチナがテロ組織を解体するという中東和平構想を発表した。
2003年4月アメリカ、EU、ロシア、国際連合の4者により中東和平案のロードマップがイスラエルとパレスチナ自治政府に提示された。10月に国連総会で分離壁の建設中止についての決議が採択された。
アメリカはイスラエルと極めて関係が深く、国連安保理でイスラエルを非難する内容の決議案が出されると、ほぼ確実に拒否権を発動している。民間レベルでも、2008年3月のギャロップ社の世論調査よれば、イスラエルへの好感度は71%で上から5番目(上からカナダ、イギリス、ドイツ、日本の順)と比較的高いが、逆にパレスチナ自治区への好感度は14%で下から3番目(下からイラン、北朝鮮の順)と低く、親イスラエル・反パレスチナの国民感情を示している。
また、軍事援助も継続して行っている。2007年7月29日にイスラエルのオルメルト首相が明かしたところによると、イスラエルはアメリカに対し、従来の25%増となる、10年間で300億ドル(約3兆5000億円)の軍事援助を取り付けた。従来は年間24億ドル(約2800億円)(AFP通信 「米政府、イスラエルに10年で300億ドルの軍事支援に合意 * 2007年07月29日 21:35 発信地:エルサレム/イスラエル」)。この金額は、イスラエルの軍事費の2割以上に相当する。
これは無償援助のみの額で、有償での借款や兵器の売買などを含めると、アメリカによる出資はさらに巨額になる。
ドイツは、ナチスによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の負い目もあって、イスラエルの全面支援を表明している。その他の欧州諸国は、パレスチナは未承認だが、米独に比べるとイスラエルに批判的である。
アジア、アフリカ諸国は、大部分がパレスチナを承認している。中華人民共和国は、パレスチナを承認する一方、2007年1月10日 - 11日には胡錦涛国家主席、温家宝首相がイスラエルのオルメルト首相と会談するなど、両にらみの態度を取っている。
日本は、パレスチナは未承認であり、現在は将来の承認を予定した自治区として扱っている。パレスチナに物資の援助は行うが、ハマースへの対応は欧米に歩調を合わせている。また、日本の援助で建てられたパレスチナの施設が、イスラエルにしばしば破壊されているが、これについてイスラエルに抗議は行っていない。2008年2月25日、イスラエルのオルメルト首相は来日し、2月27日、福田康夫首相と会談した。福田首相は、「平和と繁栄の回廊」構想の具体化を急ぐ考えを改めて表明し、会談後両国の関係強化などを盛り込んだ共同声明を発表した。また、イスラエルが北朝鮮によるシリア、イランへの軍事協力を示す情報を提供することも分かった。しかし、イスラエルのガザ地区などへの攻撃については、日本は何も触れなかった。翌2月28日、オルメルト首相は、日本の記者クラブの講演で「北朝鮮とイラン、シリア、ヒズボラ、ハマースは悪の枢軸だ」と述べた。北朝鮮はこの動きに反発し、「イスラエルこそ危険な反動勢力」と主張した。
報道については、双方が相手に有利な偏向報道を行っていると主張している。イスラエルは、2008年3月12日、カタールの放送局アルジャジーラを、ハマース偏向を理由に取材拒否した。さらに、アルジャジーラ本社やカタール政府に懸念を表明する文書の送付や、アルジャジーラ記者のビザ発給制限も検討している。しかし、少なくとも日本においては、双方の犠牲者と報道量を比較すると、イスラエル側の犠牲者に相対的に手厚い報道を行っている。
当事者のプロパガンダ(宣伝)も活発で、インターネットでも互いの関連サイトが多数存在する。2008年12月29日には、イスラエル国防軍によるYouTubeチャンネルが設けられた。
