解決
案として、イスラエル側からは、ハマース側が武装闘争を放棄する、というものがある。自爆テロ戦術の行き詰まりと国際的孤立の状態から脱却できる。しかしこれについては、ハマース側の攻撃がない時でも、イスラエル側はハマースの要人を殺害しているとして強い反発がある。さらにイスラエルには、パレスチナ人全ての追放・抹殺を主張するタカ派も一部に存在する。そこまで行かなくても、「我が家イスラエル」党首であり、オルメルト政権に戦略問題担当相として入閣しているアヴィグドール・リーバーマンは聖地(エルサレム)からの非ユダヤ人の追放、パレスチナ自治区にイスラエルのアラブ人居住地域を譲渡する代償にユダヤ人入植地の領土化およびイスラエル領からのパレスチナ人追放、ハマースと接触した(イスラエルの)アラブ系国会議員の処刑などを主張している。少なくとも、ガザ地区以外の入植地からの撤退は認めないというのがイスラエルの方針である。
同様に、パレスチナ人の中にもハマースなどイスラエルの存在を認めないタカ派が根強いが、全てではない。和平を望むものはパレスチナ、イスラエル、双方に存在する。 現在のハマースは、「イスラエルの生存権は認めない」が、イスラエルの「1967年(第三次中東戦争)当時の国境線までの撤退と引き換えに10年間の停戦を実施」する用意があると主張。国家としての承認はしないが、存在は事実上黙認するという考えを示している(1980年の安保理決議465が根拠となっている)。
また、ハマースが多大な犠牲にも拘わらずロケット弾攻撃を止めないのは、敢えてイスラエルに報復させることで、パレスチナ内部の不満をそらせるためではないかとする見方もある。
また、パレスチナが国連に加盟し、独立を国際的に承認する、というものがある。 国連加盟により、パレスチナの権利は保証され、現在の状態からは脱却可能である。
なお、日本においては1973年のオイルショック以降、中東寄りの報道が一層顕著となり、中東サイドであればテロリストの組織であっても正当化するなど公平さに欠けている、との主張もある。イスラエル側、ハマース側の主張が異なることも多いことから、注意深くニュースを読み解く必要があり、中立、公正の目を持ってみなければ、平和への構築を行うことは困難である。
付言すれば、イスラエル、パレスチナ双方の好戦勢力が、支配地域内における自らの存立と支配力を維持する為の大義として相手側の脅威と攻撃を利用している、という利害一致・共犯関係を無視してはならない。イスラエル・パレスチナ双方に、好戦勢力、浮動層、非戦・共生主義者が居る。それはそれぞれの支配政党の内部、あるいはその周辺においても同様、との見方が初見としてバランス的である。攻撃と犠牲の既成事実は、支配地域内を戦闘正当化へと情報操作し、扇動する材料として圧倒的力を持つ為、当地域における世論作りは常に好戦勢力に有利にあると言える。そして、攻撃・犠牲の既成事実が大義として積み重ねられてゆく中、犠牲を払い続けるのは、扇動を受ける浮動層、非戦・共生主義者、つまり大半を占める一般市民だ。国際世論がこの情報の悪循環に対して加担者とならない為には、イスラエル、パレスチナ双方の好戦勢力のシナリオに惑わされない注意深さを要する。
